本日5/21(木)、大阪・京都・兵庫の2府1県への緊急事態宣言が政府により解除されました。それに伴い、大阪府の緊急事態措置も5/23(土)から大幅に解除されます。しかしながら、バーを含むいくつかの遊興施設には引き続き休業要請が出ております。玉鬘・サントリーバー樽ともに業態はバーとなっていますので、もうしばらく自粛休業を続けさせていただきます。
ここで問題にしたいのは、なぜ、バーは休業要請施設に含まれているのか?ということです。
23日以降も休業要請を受ける遊興施設は、キャバレー、ナイトクラブ等の接待を伴う飲食店、スナック、バー、パブ、カラオケボックス、ライブハウス。
その他の遊興施設であるダンスホール、性風俗店や、漫画喫茶、ネットカフェ、場外馬券売場などは休業要請が解除されます。
また、居酒屋含む飲食店、料理店、喫茶店などの食事提供施設の時間制限も解除されます。(そもそもこれら飲食店は休業要請は受けていない。時短営業要請のみ)
これを見比べると、少し不思議なことに気づきます。
なぜ、バーは飲食店ではなく、遊興施設なのでしょう?
カウンター越しにウイスキーやカクテルと肴を提供してるバーと、カウンター越しに寿司、割烹、グリル、コーヒーなどを提供してる飲食店の違いはなんでしょうか?
大阪府の苦しい言い訳はこうです。
「食事が取れる居酒屋は生活に必要だが、バーは主に遊興目的」*1
たしかにバーの中にはダーツやカラオケなど遊興設備を備えた店もありますが、それが主とは言えません。しかも、バーでは食事できるところも多いです(玉鬘・バー樽とも食事をお出ししています)。オーセンティックバー、ワインバー、ショットバー、、、ほとんどのバーは普通の飲食店といえます。
ここで、新型インフルエンザ等対策特別措置法(特措法)を見てみると、施設使用制限の要請対象に飲食店は入ってないことがわかります。遊興施設について『十一 キャバレー、ナイトクラブ、ダンスホールその他これらに類する遊興施設』との一文があるのみです。バーはどこにも出てきません。*2
では、実際に府が休業要請を出すにあたり、
なぜ、バーはひとくくりに遊興施設にいれられたのか?
そのナゾは特措法の『十一 キャバレー、ナイトクラブ、ダンスホールその他これらに類する遊興施設』にあります。
この一文は、風俗営業法の1号営業と特定遊興飲食店営業を含めたものです。
風営法1号営業とは、『接待』を伴う飲食店のことです。『接待』とは『歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと』で、お客様とスタッフが同席する、カウンター越しでも特定のお客様に担当として付くような業態です。クラブ、キャバクラ、ホストクラブ、ラウンジ、スナックなど。深夜営業はできません。
特定遊興飲食店とは、遊興設備を備えた飲食店のことで、ダーツバー、カラオケバー、ナイトクラブ(踊るほう)、ディスコ、ライブハウス(飲食店としての所)など。こちらは深夜営業可能です。
そして、このどちらにもつかず、もちろん一般飲食店でもなく、グレーな営業スタイルを続け、実際にクラスターを多数発生させた業態があります。
お客様と同伴し、指名を受け、カウンター越しに接客しながら、乾杯しカラオケしゲームで盛り上がり、深夜も営業してアフター行ったりするアレ、ガールズバーです。
大阪府は(これに先立ち東京都は)、ガールズバーを自粛対象に含めたかったのです。
そして、その為に他のバーを巻き込んで、一括りにバーを遊興施設に組み込んだのです。
これは、大阪だけでなく全国の話ですが、風営法の定める『接待』を伴うガールズバーのグレーな深夜営業を各自治体は放置してきた事実があります。結果、この度のコロナ禍においてクラスターを発生させ、『バーやナイトクラブといった深夜の接客を伴う飲食店の自粛』*3という正確にはどこを指してるかわからない知事の発言が飛び出し、最終的に必要以上のバーが自粛休業に至った点は、非常に大きな問題であると思っています。
日本全国での懸命な自粛活動により、ようやく解除の道が開けたのは喜ばしいことです。すぐに日常が戻るとは考えていませんが、バー樽は以前と変わらず、昔と変わらず、皆様にとっての大切な一杯をお届けしてまいります。
再開まで、まもなくです!
*1 : 読売新聞オンライン 2020/4/15
*2 : 新型インフルエンザ等対策特別措置法施行令第11条
*3 : 都知事緊急会見 2020/3/30